今回の日露交渉の真の目的が「領土」「平和条約」「共同経済活動」であっては断じてならない。今回の交渉に意味を持たせるとすれば、只ひとつ「安全保障の多様化」のみである。米国とロシアに適当に餌を与えつつ日本の必要性・価値を認めさせ、米国とロシア相互の抑制と均衡の絶妙なバランスの上で、完全核武装を成し遂げるまでの間、対支那・対南鮮・対北鮮の暫時の国家防衛という果実を得るのである。飽くまでロシアに与える餌として「共同経済活動」を使う分には吝かではないが、前のめりにならずクールに実践する必要がある。ただ、2006年の「サハリン2事件」という前科のあるプーチンが信用できないのは言うまでもない。その後、日本に対する認識がどのように変わったのか、変わっていないのか知る由もないが、仮に、僅かながらプーチンは信用できるとしても、メドベージェフを見れば分かる事だが、次に出てくるロシアの権力者は誰であっても絶対に信用できないということを失念してはならない。
米国一辺倒の安全保障を71年間続けてきたことの結果が完全に米国の属国と化した現在の日本である。このような現状を全日本国民に切々と訴え、自分の国は自分で護る、外国による内政干渉を受けない、ごく当たり前の独立国家になろうという国家意思をつくりだしてくれる首相がひとりぐらい現れないものだろうか。たとえ米国によって内閣が潰されても良いではないか。その遺志を継ぐ次の首相がまた、同じ主張を繰り返しまた、内閣が潰される。これを何回か繰り返すうちにより多くの日本国民が目覚めるはずだ。
以上述べてきたことは間違いなく安倍首相の頭の片隅にもない。「共同経済活動」に前のめりになり、本気で「平和条約」を締結しようとするだろう。食われるだけ食われ、身ぐるみはがされることになるのは必至である。拉致問題といい、慰安婦問題といい、学習能力のない奴である。こいつに国家の運営が任されている現状はまさしく亡国への序章となっているのかもしれない。
ところで、大谷山荘に山口県選出の衆参国会議員が勢揃いさせられていた。ひとりぐらい欠席する変わり者がいてもよさそうなものだが、厳寒の山あいの温泉旅館に全員雁首を揃えて詣でていた。そのうちのひとりが我らが林芳正議員であるが、安倍首相と握手する姿を見て「人間、頭が良いだけでは駄目なんだ」とつくづく思った。せめて、もっと堂々とした態度を見せて欲しかった。
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